【富田さとにわ耕園】「きれいだね」の一言のために、手作りする花畑

春に咲く12万株のシバザクラや、一面がブルーの絨毯になるネモフィラ、秋風に揺れるコスモスなどで知られる「富田さとにわ耕園」。

 

今でこそ、千葉市屈指の人気スポットとして、県内外から多くの観光客が集まる「富田さとにわ耕園」ですが、平成19年の開園から現在までの十数年は、試行錯誤の連続だったようです。

数々の可憐な花々で、私たちの目を楽しませてくれる「富田さとにわ耕園」。その舞台裏を、富田さとにわ耕園の今関昭夫さんに聞きました。

12年前…「富田さとにわ耕園」は、いくつかの花木類が配置された”公園”だった

千葉市若葉区富田町―田んぼや畑が広がり、遮るもののない伸びやかな風景が楽しめる、のどかな地域に「富田さとにわ耕園」はあります。

 

今でこそ、写真の通りの絶景を求めて県内外から多くの観光客が訪れる「富田さとにわ耕園」ですが、現在の姿になるまでには、数々の苦労と変遷があったと言います。

 

「千葉市富田都市農業交流センター(現在の愛称:富田さとにわ耕園)は、平成19年にオープンした施設です。当初は、花壇や梅林、ツツジ園などを配した“公園”でした」

 

そう語るのは、現在、富田さとにわ耕園の園長を務める、今関昭夫さん。

 

今関さんが着任したのは、オープンから4年経った平成23年。もともと今関さんは千葉市役所に勤められており、その当時、富田地域の田んぼの区画整理を行ったご縁で、地域の方々とのつながりを得たそう。

 

「お世話になった地域への恩返しがしたい。その一心で、現・富田さとにわ耕園を、地元の人が集まり、楽しめる場所にしようと、試行錯誤を始めたのです」

「富田さとにわ耕園」自慢のシバザクラは、地域メンバーの手づくり!

「花の名所といわれる場所に視察に行き、構想を練りました。思い切って花壇をやめたり、起伏を生かして、なるべく立体的に見えるようシバザクラを植えたりと、少ない人数でなんとか工夫しながらやってきました」

 

なるほど、ゆるやかな起伏が続く「富田さとにわ耕園」を歩いてみると、白やピンク、紫などシバザクラの美しいグラデーションが、歩みに合せて少しずつ表情を変え、目を楽しませてくれます。

これだけの規模のシバザクラですが、植えているのは業者ではなく、なんと地元の12名ほどのメンバーだといいます。

 

「みんないい年ですから、大変です。すごい数のシバザクラを手植えしていきますので、たまに、株の色を間違って植えちゃったりね。咲いてみて、“アレ?”って。笑」

上の写真が、その“間違えちゃった”部分。なんだかほっこりしますよね。

「富田さとにわ耕園」のこれから

春にはネモフィラやシバザクラ、秋にはコスモス等が咲き乱れ、春・秋のおでかけシーズンを中心ににぎわう「富田さとにわ耕園」。

すでに地域のみならず、千葉市の代表的なおでかけスポットになっている「富田さとにわ耕園」ですが、今関さんはこれから先、どのようにこの場所を変えていかれるのでしょうか。

 

「何より、地元の人に喜んでもらえることがしたい、という思いでやっています。もっともっと、地域で働いている人や住んでいらっしゃる方が気軽に立ち寄れて、さんぽをしたり、写真を撮ったり、自由に楽しんでもらえる場所にしていきたいのです。

富田さとにわ耕園が、地元の方たちのつながりを育んでいく…そんな場所にできたらいいなと、願っています」

 

そんな今関さんの思いは、いま、少しずつ形になってきています。

「富田さとにわ耕園」がつなげる、地域の輪

例えば取材日のこと。「富田さとにわ耕園」の入口付近では、地元の20軒近くの方が農作物を並べ、訪れた人は楽しそうに話を聞き、新鮮な農作物を嬉しそうに持ち帰っていました。

 

また、耕園内を歩けば、ベビーカーを押しながらのんびりと花を愛でる方や、「近くにこんなところがあったんだねぇ。今度、お母さんを連れてこよう」と話に花を咲かせるカップルの姿を見かけました。

 

人が人を呼び、地域の輪が広がっていきます。

 

―今関さん。5年後、10年後の「富田さとにわ耕園」は、どうなっているでしょうか。

「今よりもっとたくさんの人に、“花がきれい”って言ってもらえたら、それが一番です。そのために、まずは富田さとにわ耕園をしっかり維持しないとね。

そしてゆくゆくは、6.5ヘクタールある畑を拡げて新規就農者に貸したり、農家を育てたりできる場所にしていきたいですね」

 

千葉の高い農業技術をしっかりと次世代に伝え、新しい就農者を支える、中心的な施設になっていく―。「地域への恩返し」のための素敵なビジョンが、今関さんにはありました。

 

―最後に、記事を読んでいる方へ一言お願いします。

 

「千葉は緑が多く、野菜がおいしく、人が優しいところです。ぜひ足を運んでいただいて、雰囲気の良さ、自然の美しさを味わってみてください。また、富田さとにわ耕園でゆっくりと散策を楽しんでいただけたら、これほど嬉しいことはありません」

 

今関さん、ありがとうございました。これからの「富田さとにわ耕園」を、心から楽しみにしています!

「富田さとにわ耕園」のアクセス、基本情報

富田さとにわ耕園(とみたさとにわこうえん)

入園無料※農業体験農園、収穫オーナーは有料

9:00~17:00

月曜(祝日の場合は翌日)

千葉市若葉区富田町711-1

「富田さとにわ耕園」はこちらのページでも紹介しています